心霊読本
本書編輯につきて
本書の著者故淺野和三郎は本書の一部を『心霊と人生』誌上に発表したが、これはもともと雑誌に掲載する目的を以て執筆したものでなく、初めは単行本として発行する意向であったらしい。
雑誌に発表後、単行本としての体裁に書き改めた原稿が、別に遺されてある。そしてそれには新たに書き加えられた事柄も少くはない。が、未だ全く稿を終るに至らず、第三篇十二までで筆が止まって居る。
第一篇の四『世界に於ける心霊学界の現状』中、我国の霊媒として亀井、北村、本吉、小林の四氏が挙げられてあるが、本吉、小林両氏にはまだ筆が及んで居らない。で、此の欠を補うべく両氏に関する記事を、私は粕川章子氏に依嘱したのであった。同氏は快諾の上、両氏に対し、可なり詳細なる記述を寄せて来られたのであったが、単行本としての体裁に顧み、私は勝手ながら之を稍簡略して、本書掲載の如きものと書き改めたのである。茲に同氏の御好意に謝すると同時に、此の点の御諒解をお願いする次第である。
第四篇、第五篇は、雑誌に発表しあるものの中から、便宜採録せるもので、著書の意向が果してそうする積りであったか否かは不明であり、又他にも腹案があったかも測られないが、今それを奈何ともすることが出来ない。で、取り敢えずこんな体裁として世に送ることにした訳である。
以上本書の成れる顛末を略述して、編輯者としての責を明かにするものである。
昭和十二年八月
淺野正恭識
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