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第一講 肉体と霊魂

 序説

事実は真珠、理論はこれを貫くところの紐。――心霊研究の提供する証拠は現代人の信仰と道徳とに根本的改革を惹き起す。

 たびたび各方面からの催促に預かりますので、少し系統的に心霊科学の基礎的問題を講述して見ることに決めました。元来事実ありての理論であります。事実を真珠とすれば理論はこれを貫くところの紐に過ぎません。で、私はこれまで成るべく理窟りくつめいたことを避けるようにしましたが、御同様相当心霊事実並びに心霊実験に親しみができた今日においては、そろそろ理論の整理も必要になりました。すくなくとも現在において一と通り心霊問題に対する根本のかんがえまとめて置くことが便利だと存じます。忌憚きたんなく私の所信を申上げますと、日本の言論界は心霊科学上、すでに決定し切っている事柄をあたかもそれが未定の事柄であるが如く取扱い、つまらぬひまつぶしをしている点がすくなくないと存じます。これを喰いとめて、日本人の思想を正しいレールの上になめらかに走らせるようにするのはわれわれ心霊研究者の大なる責務の一つと考えられます。私の講述は成るべく平明通俗、常に常識の域を離れぬよう心がけます。

 さてしからば最近心霊科学の基礎的問題とは何であるか? 思想の混雑を防ぐべく、劈頭へきとう第一にそれ等を明示して置く方が講述者たる私自身に取りて好都合であるのみならず、同時に又読者諸子に取りても便利かと存じます。私が本講座において是非とも確立したいと思うのは大要たいよう左の諸項であります。

 一、各人の肉体に霊魂が宿ってること。

 二、肉体を離れたる霊魂は死の彼岸に存続すること。

 三、死者の霊魂は生者の肉体に憑依すること。

 四、霊魂界と人間界との間に交通が可能であること。

 五、霊魂の働きは驚くべき威力と種類に富むこと。

 六、心霊研究と人生の諸問題との間に密接不離の大関係が存在すること。

 七、心霊研究の提供する証拠は現代人の信仰と道徳とに根本的革命を惹き起こすものであること。

 く並べただけでははなはだ抽象的に過ぎて、はッきりしたことがお判りになる筈もありませんが、講述の筆が進むに連れてそれ等は次第に闡明せんめいさるることと信じます。


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