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心霊講座
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――新字・新かな版――
浅野和三郎著
底本:「心霊講座」 潮文社
発行: 1940(昭和15)年03月01日発行
底本の親本は嵩山房刊
1928(昭和3)年06月発行
1929(昭和4)年06月増補版発行
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電子テキスト作成
第一講座〜第五講座まで; PIN
第六講座以降; いさお |
※ 青空文庫の「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に基づいて、底本の旧字表記をあらためました。
※ 底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
※ HTML化に際して、底本中の傍点表記を、下線表記に、白丸傍点表記を、斜字に置き換えました。また、底本中のルビ
と、入力者による振り仮名は、右の様に表示されます。表示事例、その他、難解な言葉遣いに対しては適宜、注記いたしました。
※文中でバラバラに表記されている「クローフォード博士」と「クロフォード」は「クローフォード博士」に「ロムブロゾオ教授」と「ロムブロゾオ」は「ロムブロゾオ教授」にそれぞれ統一致しました。
※文中で省略表記
されている、「ノ卿」は「ノースクリッフ卿」に、「ブ氏」は「ブラッドレー氏」に「マ氏」は「マッケンジィ氏」に「マ夫人」は「マッケンジィ夫人」にそれぞれ統一致しました。
序
最近七八十年間に東西両洋に跨りて続出せる無数の心霊事実の中から一ばん正確味に富み又一ばん有意義と思考せらるるものを選り出して適宜に分類し、そしてできるだけ公平な態度で、それ等の活きた事実が何事を吾人に教えるかを穿鑿討究して見たいというのが、私の本書執筆の目的なのです。私としてはこれでも十数年来取扱い来った問題ですから、最初多少の自信を以て仕事にかかりましたが、いざ筆を執って見ると案外私の平生の準備の不足であったことが判りまして、新たに参考資料を聚めたり、新たに調査の行り直しをしたり、遂にまるまる二年間をこの仕事に捧げて了いました。私が本書の最後の一頁を書き上げたのは本年の一月でしたが、その時はヤレヤレ重荷を降ろしたという気がしました。
むろん慾を言ったら際限のない話で、私が本講座に附け加えたいと思う材料はまだ外に沢山あります。しかし現在の日本国として何より痛切に必要を感ずるのは、心霊問題に関する基礎的知識の普及で、それにはできる丈簡単明瞭に要領を得られる参考書の望ましいのは言うまでもありません。そうした考慮の結果出来上ったのが本書でありまして、私としては現在の境遇に於ての最善をつくしたつもりであります。こんなつまらぬ著述でも、高々一日本国の思想界、言論界、宗教界等の間に横わる一大弊風、つまり活きた心霊事実と心霊上の正しき理論とを無理ヤリに握りつぶして、一の精神的鎖国主義を樹立しようとする唾棄すべき無益の努力を、幾分たりとも排除するに力あらば斯んなうれしいことはありません。
私は本年九月英京ロンドンに於て開かるべき世界心霊大会に臨むべく目下その準備に忙殺されて居りますが、斯うした際にたまたま本書が世に出づることになったのは甚だ意義深いことと感じます。敢て置土産という訳ではないが、私としてはつつしんでこの一小著を敬愛なる我が同胞諸氏に捧げたいと思うものであります。
昭和三年五月十七日 鶴見にて
著者しるす
心霊図書館 管理人