心霊問題の表と裏

マアガリィ霊媒問題

 一昨年米国の『サイエンティフィック・アメリカン』誌が、一万円の懸賞で、確実なる心霊現象の募集を企てましたので、その結果、いわゆるマアガリィ霊媒問題を惹起する事になりました。マアガリィとは、この懸賞に応募した一霊媒婦人の雅号で、本名はクランドン夫人というのであります。

『サイエンティフィック・アメリカン』社の目的は、無論これによりて、霊媒能力の確否を確かめんとするつもりでありましたろうが、見方によると、現代のアメリカ人が、心霊現象に対して、どれ丈の理解力を有っているかの試験でもありました。私どもから見ると、試験されているのは、霊媒よりは、むしろその審査を引受けた学者達の方ではないかと思われる位であります。

 兎に角同社のこの企ては、たしかに今の時代において、なりに意義ある、面白い企てに相違なかったと考えられます。その証拠には、アメリカの学界、並に新聞雑誌界が、相当この問題でやかましかったのみならず、それがイギリス並にフランス等にまで波及して、甲論乙駁こうろんおつばくの状態を呈してるのであります。不相変あいかわらず日本の言論界では、こんな事柄には無関心の態度を執っていますが、これは心霊研究に対して、大なる立遅れをした国民として免れ難き運命で、今の日本として、せいぜいゼーゲル氏夫妻の霊術でも見物して、トリックか、トリックでないかの議論に花を咲かせる位が、相当なところでありましょう。

 しかし御同様、率先して心霊研究に従事しつつあるわれわれとしては、少くとも、その輪郭位は承知して置くべき事件と存じますから、少々面倒臭く思召す方もあるかは存じませぬが、ここにその顛末を記述して、御報告申上げることに致しました。――記者。


心霊問題の表と裏

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一、心霊現象に対する懸賞


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