心霊図書館 >> 心霊文庫第17篇 >>  憑依と自殺の実例 その一

『死者に交わる三十年』

憑依と自殺の実例 その一

 世間には何のめの自殺か、外面的にはさッぱり訳の分らぬものが少くありません。そんな場合には、大方気でも狂ったのであろうとか、何か世の中を悲観したのだろうとか、いい加減の理窟りくつをくッつけて、有耶無耶うやむやに葬ってしまうのを常としますが、一たん適当な霊媒を据えつけて、その裏面の消息を探ると、その大部分が憑依霊の仕業であることが明らかに突きとめられます。憑依霊の種類は大別して二つに分れます。即ち

 (甲) 是非とも相手をたおそうという目的でかかって来るもの。

 (乙) 戸惑とまどいの結果偶然に憑って来るもの(換言すれば自殺した者の霊魂が、死後自己の意識が継続して居るのを見て、てッきり自分は自殺し損ねたものと勘違いし、他人の肉体に飛込んで来て、自殺行為を続行するの類)

 自殺は一般に罪の深いものとして、いずれの宗教に於ても大てい之を排斥しますが、心霊実諭の結果も、これを裏書します。自殺者の霊魂は大てい地縛の霊として娑婆しゃばにうろつき、自分が勝手に縮めた丈の期間を、その状態で送るべく余儀なくされるやうです。この種の霊魂にかれた人間は、まことに災難で、自然その陰気な思想にかぶれます。

 私はこれからウィックランド医学博士の数ある実験の中から、参考になるものを二三抄出して紹介する事にします。何にしろ博士夫人(アンナ・エム・ウィックランド女史)は、この種の実験にかけては、恐らく世界随一の好霊媒で、前後三十年間も良人を助けて、そればかりっているのですから、その実験記録中には、なかなか立派なものがあります。私自身の実験中にも、面白いのが少くありませんが、それは後日一とまとめにして、整理の上に発表することにして、当分外国の実例中の優れたものから、ず皆様にお目にかけるつもりであります。


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