ステッドの通信

三二 知識伝達法の改良


ステッド『そのうちやがてわれわれは人間の頭脳を使って、こちらの知識を人間界に伝え得るかも知れんが、現在では事実の伝達に多大の困難を感ずる。ただ心に印象づける事ならば今でも比較的に容易である。少くとも一部分だけはそれができる。言うまでもなく一般にそれは少々歪んでいるが、大体の見当だけはつけられる。ただ生憎なことにはあなた方の経験が狭隘である為めに受け取らるるものの範囲が間断なしに制限され勝ちだ。幽界に於ける思想並に力量の偉大なる進歩は、到底地上の人間の理解以上である。小児の手では大木の幹はとても握れない。あなた方はわれわれの与える観念を受け取ろうと手を拡げる。あなた方は人間界の狭き経験を以てそれをケチなものに翻訳する

加之しかのみならず、多くの人々はその先人的観念を棄てておとなしくわれわれの思想を受け入れようとはなかなかしない。若し他界からの思想が地上の迷信と背反して居れば断じてそれに耳を貸そうとはしてくれない

『われわれはこちらからの放送を素直に伝え、素直に書きしるす人々を早く見つけたいと思っている。

『グスターヴ・ジェレーが現在試みつつある実験は、恐らくこちらの知識を伝達するに適当な道具を見つけることになるであろう。あなた方の求むる所もまた知識であって、悟道ではないようである。知識ならば、われわれの手元に山のようにある。一たんわれわれが知識を伝えることに成功すれば、地上生活の状態に一変動を来すことは到底避け難い。知識は決して消散死滅しない。求めさえすればいつでも繰り出される。』(四月十六日)


三一 胡桃割り

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三三 生命と性


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