ステッドの通信

二六 機会をつかめ


ステッド『恐らくあなた方にはわれわれ幽界居住者のっている感識力の、いかに強烈であるかを会得することはできないと思う。何となればそれはどこまでも遠く達し、どこまでも深く進み、何物にも透徹し、何物をも抱擁することのできる感識力であるから……。

『地球発達の巻物は、われわれの前に繰りひろげられ、われわれの読むに任せられている。地球に生物が発生するずっと以前からの進化の歴史……第一期の化学的結合に続いて植物の生命が現われ、植物から動物、動物から意識と、順次に発達した歴史が繰りひろげられている。その意識も最初は物質と不離の関係にあるがやがてわれわれのような精妙稀薄なる超物質的存在となる

『ナニ未来が見えるかと仰っしゃるか。それは見えぬではないが、私に見えるのはむしろスピリットの世界である。概して未来を知ることは過去を知ることよりも困難で、現在の私の発達程度ではあるいは充分の事はできぬかも知れぬ。

『すべての人は皆すぐれた能力の可能性を有っているが、それが役に立つまでには充分これを開発せねばならぬ。能力の開発がわれわれ幽界居住者の仕事である。ただし各人同一程度に此等これらの能力を有するものとは思われない。

『何故に個々の能力が相違しているか、何故に生の表現が種々雑多であるか、又それがいかなる手続で行わるるかは私には不明である。天地の法則が一様に働けば均一物が造り出さるべきであると想像して差支ない筈である。が、それは私の尺度が余りに微細に過ぎ、まだ各自の均一性を計ることができない為めであろう。

『少くともこれ丈の事は現在の私にも判る。地上生活においては生れながらの不具者、癈疾者もあるが、幽界に生れるものにはそれが絶対に無いことである。彼は智的にも、又霊的にも、その能力の全部を携えて出現し、何人にも劣らず向上発展の機会をつかむことができる。むろん其機会をつかむかつかまないかは本人自身の器量次第覚悟次第である。それから各人その趣味がちがい、願望がちがう。種々雑多の人物が集まりて一の世界を組織してる状態は地上の世界と同一である。』(四月六日)


二五 ジェレー博士の
幽界に於ける努力

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二七 神と人との進化


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