ステッドの通信

二四 絶大なる透視能力


ステッド『私の主張した哲学は死んで幽界へ来て見てますます正当であることが判った。が、地上に生きてる人間には到底こちらの生活状態を確実に想像することは不可能である。第一、人間にはわれわれが有する能力を察知することができない。もちろんわれわれの能力と言っても、それはすでにっていたものから発生した能力には相違ないが……。

『ナニわれわれの有する力を説明せよと言わるるか……。よろしい試みましょう。われわれにありては物件の認知がその外観に限られないわれわれはそれを透視する。例えば私があなたを見る時に、私はあなたの躯を透視し、更にその背後の地面まで透視する。し私がそれぞれの地層の名称を知っているなら、私にはそれを指示することができる。私には地球全体を透視することもできる。一雫の雨滴も頑大なる地球も私には格別の相違がない。

『これと同様に私には思想が判る。私は思想を透察し、更にその思想の因りて発する要素まで見える。果を手がかりとして遠い遠い因までが判る。更に私は一つの思想がいかに発達し、いかにいろいろの人の心に影響するかの筋道が判る。私の認知力は過去に遡り、現世にわたり、更に進んで未来に突入する。うした力の所有者には、一千年も、一日も、何の変るところがない。われわれの思想の方面は幾通りにも分れてるが、その一つ一つに地上の一生をささげる丈の価値がある。

『死後の生活のいかに豊富であるか、これでその一端を伝え得たかと思う。』(四月三日)


二三 トンネルの両面開掘

目  次

二五 ジェレー博士の
幽界に於ける努力


心霊図書館: 連絡先