ステッドの通信

一七 第二の死の有無


ステッド『あなた方は私達の住む世界をどんなものと想像されるか? 海あり、山あり、雲霞の如き大衆が出頭没頭して居る、地上そっくりの世界とでも思われるか? それでは甚だ見当が違います。重い肉体に縛られてノソノソ蠢動しゅんどうするような事の全くない生活――神の子たるにふさわしい生活――それが私達の生活ですが、果して御会得ができますか? 私達は這ったり、眠ったり、又食ったりすることはすっかりめて了ったのです。

『あなた方は私達が広い所で、戸惑とまどいをして居るものと思召されるでしょう。成る程私達も随分動きまわれる広い空間をもっています。が、私達は決して孤立した存在ではない。何となれば思想が間断なく私達の許に達し、私達を引寄せ、私達の侶伴となってくれるから……。

爰は思想の世界です。もう一段進めば更に別個の世界――思想が爰ほど巾をきかせない世界があると信ずべき理由があります。

この上の世界に達する為めにモ一度死の開門を通過せねばならぬという証拠は認められません恐らく私達は発達するに連れて次第に現在の生活から遠ざかりいつの間にやら次ぎの生活に移っているというような事になるのでしょう。』(三月十二日)


一六 幽界の政庁

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