ステッドの通信

五 幽界通信の困難


ステッド『心霊現象に関する文書が混沌として統一を欠けるはこれを幾多の原因に帰することができる。第一人間の心がわれわれの言うところを伝達する途中に変化するので、ドウも明瞭な通信を送り得ないうらみがある。それから又有意識的又は無意識的に行わるる詐術をも考慮に入れねばならぬ。又人間が幽界生活に関して懐ける先入的観念――これにも困る。その等の困難以外に更にモ一つの困難がある。つまりわれわれが全部一様でないことである。

『地上に多数の人種がり、おのおの自己特有の観念をっているように、幽界にも又それぞれ発達程度の異なった居住者がり、しかもここでは一層個々の特色を発揮する傾向がある。かるが故に、一人物又は一団体に真実なることが、他の人物又は他の団体には必らずしも当てはまらない。これを地上生活に比するに幽界生活は測り知られぬほど一層複雑である。

んな次第であるから、あなたはあなた自身の研究方面をドシドシ進行するがよい。他の方面の通信と符合せぬからとて少しも頓着するには及ばない。地上の人間は幽界生活とはんなものかと、近頃やっと概念を造りかけたばかりである。言わば暗いガラスを通してのぞいてるようなものに過ぎない。ただしいくらかでものぞきかけたということは大問題に相違ない。従来はまるきりの闇だった。』

(二月二十四日)


四 観念の世界

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六 幽界の消息


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